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「ジャパネスク」シリーズ第六作。前作の"人妻編"に続く"不倫編"だが、駄作の連打になった。作者のエッセイを読むと、東京に出てから精神不調状態で本シリーズ執筆時は独身の由。未婚の女性が少女向けに新婚ものを書くと、こうした箸にも棒にも掛からない作品しか出来ないと言う典型の本。 本シリーズの面白さは、雅な平安朝に時代設定を置き、藤原家の"物の怪憑き"瑠璃姫をヒロインにして、陰謀渦巻く宮廷を舞台に恋と冒険活劇を現代調で描く事にあった。それが、本作では煌姫と今師の宮の陰謀に、高彬と守弥が右往左往し、瑠璃姫も困惑する様が鬱々と描かれているだけ。特に高彬の逆上と落胆が目立つのが印象的で、下手な昼メロを見ているようである。 帝を巻き込んだ大陰謀や、瑠璃姫を狙う事件と言った能動的仕掛けがないと、単なる少女向けのメロドラマになってしまうのである。本シリーズは瑠璃姫が躍動しないと面白くない。作者自身このシリーズの魅力が分かっていないのではないか。シリーズの後の作品では、陰謀ものを取り入れて盛り返しているのだが。ジメジメした"嫉妬もの"から脱却して、明るく破天荒な物語に戻って欲しい。
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なんて素敵にジャパネスクシリーズ、大好きです。由緒正しい貴族の家に生まれた瑠璃。貴族のお姫様といえば、家にこもって琴を弾いたり歌を詠んだりするのがあたりまえとされてきた。しかし!この瑠璃は違うのです。こっそり夜のお散歩に出かけたり、色々な事件に首をつっこんだり。おてんばで、無鉄砲で、自分の気持ちに真直ぐで・・・。目を離したら何をしでかすか分からない、そんな型破りなお姫様なんですが、憎めないんです。源氏物語の時代にも、こんなお姫様がいたのかもしれない、そう思わせてくれるお話です。
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氷室冴子さんの作品はやはりおもしろいです。 特にエッセイやエッセイ調のもの! 北海道ののどかな子供時代を舞台に、きかんぼうでわがままでかわいい女の子の姿が描かれます。 妹である私は、非常に共感して読めました。(お姉ちゃんの友だちにのけものにされて、嫉妬するところとか)
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故 氷室冴子氏の代表作である 何と素敵にジャパネスク は,全10冊である.そうして 2 の次は 3 ではなく,このアンコールともう1冊の続アンコール で,そのあとに 3 が来るのだ.その何よりの証拠は,瑠璃姫と高彬の結婚が本当に成立するのが 続アンコール の末尾に描かれていることだ.アンコール2冊を飛ばすと,この感激的シーンを読まないまま,という変なことになる.このことは著者の後書をきちんと読んでいれば始めから明らかなことなのに.余計なお世話かも知れないが,ご注意まで.
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読んでた当事は、恋に恋する女の子だったので、「あー、私も誰かに愛されたーい」などと、実に気楽に思っていたものだ。まぁ、サイキンのワタクシが、この作品を再評価するなら、謎解きがおもしろい、かなぁ。高校時代から、アガサ・クリスティにハマり、たぶんミステリーは全作品読破して、デビッド・スーシェ様の「名探偵ポワロ」が大のお気に入り。ポワロになりたーい、などと随分と「カン違い」してたものだが、サイキンは岡田あーみんの如く「なれたじゃんかよー」と、思う瞬間がたまーに鐘を鳴らす。最近トルコに行ってきたんだけど、「オリエント急行殺人事件」の始発駅を生で見てきちゃった。いえーい。クリスティの作品で一番好きなのは『パディントン発4時50分』。ルーシー・アイレス・バロウが好きなのよね。
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当時コバルトの主流であった、恋愛の ”希望とトキメキと喜び” ではなく、 その裏側である ”憂いと孤独と絶望” に向き合うことをテーマとして描かれていますが、 そこに共感した読者のひとりとして、著者の勇気とやさしさが感じられる作品です。 せつなくて儚くて、美しい、少女小説の金字塔です。 単なる商業目的のみの小説ではなく、著者の伝えたいものがきちんと込められています。 また、行間の取り方も絶妙でわかりやすい上に、余韻の残る綺麗な文体が好きでした。 一文一文をとても丁寧に考えて書かれていると思います。 先日、氷室冴子さんの訃報が伝えられました。 ご冥福をお祈りします。 そして本当に素晴らしい作品を、ありがとうございました。
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